お姫様のそれから。

それはむかしむかし、遠い異国のお話。

お姫様は毎日窓から外を見て、どこか遠くへ行きたいと思っていました。
生活に不自由はありません。けれど満たされない物がありました。そして遥か遠い地平線の向こうを自由に駆け巡りたいと思っていました。


そんなある日、街で評判になっていた旅芸人の一座を、王が城へ招きました。
お姫様は満たされない物を抱えながら、それでも楽しく眺めていました。

そこでお姫様はあることを閃きました。
しかしそれは今の何不自由ない生活を捨てること。けれど・・・・・・

旅芸人の一座は荷馬車に荷物を積み終え馬車で走り出しました。そしてしばらく行った所で止まり、休憩をします。
すると荷馬車からお姫様が降りてきました。
旅芸人の一座は慌て、お戻りくださいと伝えますが、どうか私を連れて行って下さい。と、お姫様は頼みます。荷物は全て売り払うか、足が着くなら捨ててもいい。

私は遠い地平線の向こうが見たい。

お姫様はそう懇願しました。
旅芸人の一座はお姫様の必死さに観念し、彼女を着替えさせ、名前を変え、下働きの娘として連れて行くことにしました。

彼女ははたして幸せになれたのでしょうか。
つらいことや苦しいこと、慣れないことで城へ戻りたいと思ったでしょうか。
それとも・・・・・・地平線の向こうを見て、毎日楽しく笑顔で過ごしたでしょうか。

それは、彼女だけが知っています。







おわり。



2020.05.13up